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そのままに (メルマガ 2011/12/28号 バックナンバー)

毎週水曜日に配信しているメールマガジンから、とれたてのコラムをアップします。

 

 イマドキ社会でのカウンセラー雑感 
 日々の思いとカウンセリング  (担当:平野園恵)

「カウンセリングに行くなんて、大丈夫?」。
一般には、まだマイナスイメージもぬぐいきれない「カウンセリング」。つらいときや弱ったときの「こころのサポート」はもちろんですが、実はそれだけじゃない。暮らしの中の些細な迷いや戸惑い、よくわからないモヤモヤがあるとき、さらには、もっとスムーズに人づきあいしたい、もっと楽しく仕事がしたいなど、「自分を自然に、よりよく生かしていく」お手伝いをするところなのです。私たちカウンセラー自身が、現実社会の中で、日々いろいろな思いに向き合いながら暮らし、仕事をしています。家族のこと、社会のこと、さまざまに出会う人とのこと…。「この思いには、どんな意味があるのかな」「こんなクライエントさんなら、私はどうするだろう?あのカウンセラーなら?」…。そこには、やはり今や明日の自分を「自然に、よりよく生かしていく」カウンセリングの思いが生きているような気がします。企業・公共・学校などで、メンタル・キャリア・コミュニケーションとさまざまな現場を持つカウンセラーとして、また、今この時代に生きている一人の女性・妻・母として、暮らしのなかで感じた些細な思いにどんなふうに向き合っているかをご紹介します。ご意見・ご感想・ご質問などお寄せくださいね。

 


 

そのままに

 


 

京都のお寺でやっている「ヨガと座禅の会」に行きました。特に座禅はずっとやってみたかったのですが都合が合わず、やっとの実現。初体験となりました。

  ヨガで体も心もほどよくほぐした後、いざ座禅へ。初心者も多く、最初に座禅の仕方について説明がありました。「座り方」「呼吸法」「心構え」なのですが、興味深かったのは「心構え」でした。

 「きちんと座り、きちんとした呼吸をすることで、無心になろうとします。けれども、簡単にそうはなりません。さまざまな思いや考えが、次々と頭をよぎるはずです。そのとき、その内容を考えこんだり追い払おうとするのではなくて、ただ浮かぶまま、よぎるまま、流れるままにしてみてください。そのようすに集中してみましょう」「寒いなあ、足が痛いなあ、動けなくていやだなあ、などと思ったら、そのままにしていてください。そのうち、気にならなくなるかもしれません」

へ~、面白そう! 私は一体どんなふうになるんだろう?何が浮かぶんだろう?と、興味津々。
実際始まってみると…。当初、「身体のおさまりがちょっと良くないかなあ、動かしたいなあ」と思ったくらいで、その後は意外にも、ほとんど何も浮かんできません。ときどき「ああ風が吹いて木の葉を落としているなあ」とか「鳥の声が聞こえるなあ、モズかな?」とか「お坊さんの歩く音がしている、あ、だれか叩かれた」と思うくらいで、とても落ち着き、平穏な感じ。
意識はあるのですが、眠りにおちる間際のような、温泉に浸かっているような、自分が透き通って空間に溶け込んでいくような、そんな静かで安心な心地よさでした。

そして終盤、「この感じを知っている、なんだか馴染みがある」という思いがわきました。終わってから、もしかしてそれはカウンセリングをするときの心の状態ではないかと思い当たりました。

カウンセリングでは、いま、ここのクライエントさんをそのまま受け止めるために、気持ちを落ち着け、安定してクライエントさんに集中できるようにします。自分の思いや考えはありますが、いま、ここのクライエントさんの思いや考えはどうなのだろうと、向かいます。
よく、「カウンセラーはクライエントさんの“鏡”になるように」といわれます。座禅での「自分が透明になる感じ」は、カウンセリングで「鏡であろうとする感じ」に似ていたように、私には思えました。

身体と呼吸と心を安定させ、集中する。まだまだ理解は浅いと思うのですが、座禅での「身・息・心の調和を図る」ことは、カウンセリングでクライエントさんご自身が調和を図っていかれるサポートをする態度に、どこかつながっているような…そんな感じを受けたのです。

東日本大震災をはじめ、さまざまな出来事があった2011年。私には「いまあるものを、いまそのままに味わおう」というテーマの年だったように思います。楽しいことも苦しいことも、不自然にとどめ置いたり忘れ去ろうとしたりしないで、また、すぐに善し悪しの区別をつけたり無理に意味づけしたりしないで、自然に気にならなくなるまで、そのまま移ろっていくさまを味わおうとしてみました。それは、とても滋味深い、いとおしい時間だったように思います。

来年は、果たしてどんなことが起こるのでしょう?また、今度は私にはどんなテーマが浮かぶのでしょう?これまた、現れることを「ご縁」として、そのまま添っていきたいと思っています。

来年もまた、みなさまにお会いできますことを楽しみにしています。どうか、よいお年をお迎えください。

 

◇ 著者プロフィール ◇

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平野 園恵(ひらの そのえ)
シニア産業カウンセラー、2級キャリア・コンサルティング技能士。民間企業での20数年のワーキングマザー経験ののち、カウンセラーに。働く人のモチベーションアップやコミュニケーション、キャリアチェンジ、特に、女性のワークライフバランス、再就職などのサポートを行い、「働くこと≒生きること」のHAPPYをともに考える活動をしている。

詳細プロフィールは>>こちら

 

 

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2011/12/28カテゴリ:メルマガコラム 平野園恵
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